私たちの想い
ヘルパーステーションおかえりは、福岡市にある強度行動障がい者を支える訪問介護事業所です。
多くの福祉サービスから問題行動を理由に断られ、支援につながらず、在宅で孤立している強度行動障がい者に対し、一軒家を借り、重度訪問介護や行動援護を利用してサポートする活動を行っています。
強度行動障がいとは、重い知的障がいと感覚の特異性やコミュニケーションの苦手さから、環境適応が難しく、自傷や睡眠障害、他害などが通常では考えられない頻度と形式で出現する状態を指します。
親は高齢化しても彼らを支え続け、入所施設やグループホームにもつながらず、家族と共に先も見えぬまま介護負担に苦しんでいます。
それを何とかしたいとの想いでサポートする中で、住まいの問題、地域格差による福祉サービスの質量問題、施設不足、人材不足の問題など、たくさんの壁にぶつかりました。
そこで私たちは、それらの課題解決のために行政や社会、地域にこれらの問題を知ってもらい、共に対策や支援を作っていく必要があると考えました。
家族会設立とビデオポッドキャスト
相談されてくるご家族は後を⽴ちません。全国から寄せられるご相談に対して、全ての⽅のサポートに⼊ることもできず、
現状を変えることもできず、何もできない⾃分にずっとモヤモヤした気持ちを抱えておりました。状況は逼迫しているのに、
⽀援につながらず、⾃助に追い込まれ、明⽇が⾒えない毎⽇を送られているご家族。昔の⾃分を思い出し、
⼼がしめつけられる思いで、何とかできないかとずっと考えておりました。
家族会(当事者の団体)を設⽴して当事者の声を発信したい
私⾃⾝多くのマスコミの取材を受け、メディアに出てから、取り巻く環境は⼤きく変わりました。
居場所がない息⼦の現状を、いくら⾔葉で訴えても理解してもらえませんでしたが、
メディアに出て映像で息⼦の様⼦が流れてからは、周囲の反応が変わりました。施設に受け⼊れてもらえなかった現状から、
⽀援を受けながら⼀⼈暮らしを実現することに、⼤きな理解が得られたと実感しています。映像やメディアの影響⼒は⼤きい。
インターネット配信をすることで、多くの⼈に現状を知ってもらうことができる。必要な⼈に必要な情報が届く。
インターネットで配信をしたい! けれどどうやって??
協⼒者との出会いとビデオポッドキャスト
「報道特集」「強度⾏動障害の⼀⼈暮らし」というドキュメンタリー番組で、私を取材された
元TBSテレビ記者さんにご相談したところ、協⼒して頂ける運びとなり、ビデオポッドキャストでの配信が実現することとなりました。
なぜ、ビデオポッドキャスト?
当初は、YouTubeでの配信を考えていましたが、動画配信は、リアルに現状を伝えることができる反⾯、
ご家族にとって、⾏動障害を起こす我が⼦を表に出すことに抵抗があることは否めません。
ビデオポッドキャストは、⾳声配信に動画を加えたコンテンツであるので、プライバシーに配慮しやすく、
また、⾳声だけでは伝わりにくいところに写真や動画、資料などを加えることもできるという利点もあり、
ビデオポッドキャストでの配信を決めました。
共生できる社会を目指して
ビデオポッドキャストを通じて発信し、なぜ医療から⾒放されるのか、なぜ福祉サービスにつながらないのか、
強度⾏動障害がある⼈ と彼らをサポートする⼈や地域社会のあり⽅など、ご家族やリスナーと共に考え、
解決の⽷⼝を探り、彼らも地域住⺠も安⼼して共⽣できる社会づくりを⽬指して番組配信して参ります。
家族の声こそが社会を変え、未来を変え、彼らが安心して地域で暮らせる社会を作っていけると信じています。
ぜひ、ご賛同頂ける方は「家族会」にご入会お願いいたします。
入会はこちらから→「おかえり家族会入会案内」←
おかえりは、重度の障がい者が普通に地域で暮らし、孤立する家族がいなくなる社会を目指して、今後も尽力して参ります。
事業内容・サービス
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障がい者
1人暮らし支援日中から夜勤まで、1日24時間の生活を支えるヘルパーを派遣します。
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よろず相談
強度行動障害があるために、通所施設に行けていない、入所先が見つからない、
退院後の受け入れ先がない、家庭では限界を超えている、
このような問題を抱えているご家族のご相談を承ります。
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居場所支援 おかえり糸島
行動障害があるがゆえに、通所施設などの日中をサポートする福祉サービスを利用できないでいる方に対して、行動援護や重度訪問介護、移動支援などを利用して、日中の時間をヘルパーでサポートしています。
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ビデオポッドキャスト
強度行動障害を抱える人々の現状とその苦悩について、当事者家族と語りながら、解決の糸口を探るドキュメンタリー。
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おかえり家族会
家族の声を発信し、現状を知ってもらいたい。強度行動障害があっても地域で幸せに生きることができる、そんな社会を作りたい。その思いで家族会を設立しました。ご賛同頂けるご家族はぜひ、ご入会お願い致します。
福祉有償運送事業
タクシーや公共交通機関では十分なサービスが確保できない、障がい者や要介護者等を対象に、福祉車両として登録された自家用自動車(白ナンバー)で行う、個別輸送サービスです。ご利用ご希望の際は直接メールがお電話にてお問合せ下さい。
よくあるご質問
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重度訪問介護とはどのようなサービスですか?
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常時介護を要する重度の障がいを持つ方が、地域で自分らしく豊かな生活を送れるようにヘルパーが24時間体制でサポートするサービスです。
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入所やグループホームではなく、1人暮らしでよかったことはなんですか?
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入所やグループホームだと、職員の人員配置は、障がい者数人にたいして1人であり、常時介護が必要なマンツーマンの支援を要する重度の障がい者には適切ではありません。また、共同生活ゆえのルールや共有スペースがあるので、様々な障がいの特性をもつ利用者が環境に適応できないことも多々あります。一方で、1人暮らしはご本人だけの居住になるので、特性に合った環境設定ができ、ヘルパーの利用でマンツーマンの丁寧な支援も可能になります。結果、ご本人もストレスなく生活することができ、問題行動やトラブルなども減り、安定した生活を送ることができます。
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どのようにして強度行動障害がある利用者に対応していますか?
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・ 毎日の支援や問題行動を記録し、支援会議の際にグラフ化して状況把握を行っています。行動の乱れや変化があったときは、記録を参考にして、時系列の行動分析で解決策をさぐりながら支援を行います。それでも状況が改善しない時には、強度行動障がい者支援の専門機関や医療と連携を図り、問題解決に望んでいます。
・ 支援者であるヘルパーは、研修や同行で利用者様の特性や支援の仕方を理解して経験を重ねて現場に入っています。熟練のヘルパーから新人のヘルパーまでいますが、全てのヘルパーは障害特性を理解し、支援に望んでいます。